『ごお』のいない夜
2005-09-22


未明に小さな悲鳴を発して、「ごお」が嘔吐した。
朝にかけて何度も、何度も吐き戻す。
ただ事ではないので、早速獣医に連れて行く。
よく聞けば、おとつい雑巾を食べていたらしい。
異物が詰まって悪さをしているのかもしれない。

血液検査に平行したバリウムの体内での流れも
胃と小腸の終端部での異物の存在を示しており、
診察は、恐れていたとおりのことが現実だと判明した。
そればかりか、心臓にとって悪い数値が出ているとの事である。
リパーゼの数値が以上に高く、ALPも正常値を大きく逸脱している。
どちらも腎不全から来る異常値という意味合いを大きく越えている。

手術を行うこととなった。

不注意と油断があったのだ。
『ごお』のいない夜。
僕は悔やみを覚え、罪悪感に近いものの去来に悩んでいる。
異常な食欲に気がついていたのだ。
どうしてこの事故が回避できなかったか。

獣医のステンレスのケージの中で、『ごお』は何を考えている。
もしかしたら、いやきっと、
僕と同じ漠然とした不安を感じているような気がする。

家に帰らせることのできない日が続く。
この寂しさが悔やみが、焼き付けられてしまわないことを希う。
[ごお]

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