堀田敦子 小学館 390円
少女コミックという雑誌に掲載されていた小品をまとめたもの。
少女コミックは記憶どおりだとすれば、
小学校高学年を下限に高校生あたりまでがターゲットになると思っていた。
どちらかといえば浮世離れした夢夢した作風だと思っていたのに、
いつのまにやら以下のような状況になっているらしい。
[URL]
まあ、性表現についてはさまざまな考え方が成り立つので、
また作品全体の流れを見たわけでもないので、
引用のサイトの見方が正鵠を突いているとまではいえません。
しかし、レディス・コミック顔負けの表現を踏まえる作品の中に
このコミックが含まれているなら、良心的なものと捉えるべきなのでしょう。
このコミックには「あの日の風になりたい」という、
「天国の犬物語」とは異なる作品も入っている。
こちらは陸上に才能を見出され、スポーツ推薦で孝行進学も決まっていた、
母子家庭で育つ少女が突然の事故で選手生命を絶たれ、
介助犬と暮らすようになった姿が書かれている。
細かい部分に齟齬はあるが、それなりの啓蒙性を持つ作品といえる。
「天国の犬物語」のほうは、15P前後の6小品で構成されている。
老犬の姿を描き、捨て犬を描き、飼い主と犬との別れを描く、
そういう別れを交えた話が大部を占める。
それぞれの話は、感情としてわかるが、
いずれも上滑りな結末となっている。
長さの制限ゆえ仕方がなかったのだろう。
子供にとっては、たぶんよい感情を与えるだろうが、
大人にとっては物足りないだろう。
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