2008-12-18
いしいひさいち 双葉文庫 476円
1999年に発行された文庫。
もともとは1991年に竹書房から出版されたもの。
石井寿一は「バイト君」や「がんばれタブチ君」で、
4こま漫画に新風を送り込んだ革命児と思っている。
「サザエさん」などは、起承転結が4こまにすべて修められている。
旧来の伝統的4こま漫画であね。
いしいひさいちの登場によって、
起承転結はおろか、起承転転や起起起起、起承承承など、
約束事を無視した自由な4こま漫画が生まれたのだ。
いしいひさいちの革新ぶりは、
4個まではない4こま漫画を生み出すなどもし、
一つ一つが独立した4こま漫画でありながら、
さらに全体を4こま仕立てにしているという離れ業さえ生み出した。
いしいひさいちの誕生がなければ、
吉田戦車もいがらしみきおも生まれていなかったかもしれない。
その意味では天才であり、開拓者である。
B型平次捕り物帖は、銭平次のパロディーといえる。
当然舞台は江戸期となるのだが、
時代考証なんて無視して、電話は出てくるは、
現代の世界情勢も持ち込まれているは、
途中で石器時代に飛ぶわで、なんともにぎやかである。
執拗に同じシチュエーションで落ちを変えていきもする。
ボケと突っ込みもあれば体を張ったギャグもあり、
吉本新喜劇の乗りといえばよいのか、
繰り返すことで、笑いの渦に引きずり込んでいく。
関西のべたべたの乗りにあふれたギャグは必見。
そういえばヤスダ君、長らく見ていないなあ。
タブチにヤスダ、ヒロオカは、本人たちさえ笑って強い待ったキャラという伝説があるのに、もったいないなあ。
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