十津川警部捜査行 みちのく事件簿
2009-08-11


西村京太郎   双葉社   648円

 5作品が納められた短編集。東北地方各県で一話という構成となっている。(山形秋田は1作品に)
どの作品も良くできている。いつもの西村京太郎である。ぞくぞくするほどではないけれど、失望することも無い。その中では「謎と憎悪の陸羽東線」に感心した。
 中年男のばらばら死体が発見される。次々発見される各部位の検死から、被害者は肝臓に慢性疾患があり温泉療養う所にいた可能性が高いと判明する。そのほかに手がかりらしきものとしては紙片が一枚。その紙片を手がかりに被害者を特定する作業を開始する。そして被害者らしきものを発見する。その者は東京へ娘に会いにいくと告げていた。捜査を進めていくうち、被害者は状況前に弁護士と話しこんでいたこともわかった。そして、その弁護士も何者かによって意識不明の重体になっていた。弁護士はとある女性について調査していた。すべてが出揃ったとき事件の全貌が判明する。犯人の自殺によってママ区を閉じた事件は、遺書により真相が明らかにされる。
 事件の原因を考えたとき、ある人は同情の余地を感じるだろう。著者はと津川に何も言わせていないが、遺書の内容からして無意識にせよ金がある者の傲慢さが犯罪を誘発させるというように読み取れる。
いつだって犯罪は欲から発生するということなんだろうね。
[読書]

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