2022-03-13
山本甲士
犬物を見かけたら買ってしまうのが癖だ。
だんだんと当たりが少なくなってきているのはどうしたわけだろう。
どれも犬好きが喜びそうなストリー。
さすらう犬が幸せを運ぶ。犬に助けられる。同じような物語ばかり。
それもだんだんと作品の質が劣化しているように感じる。
個々の作品について、面白くないとか、駄作だとかいう気はない。
どれも一応最後まで読める。が、心に響くものはない。
過去に書かれた作品の焼き直しかと思うわけだ。
「五郎丸の生涯」もそうだった。「迷犬マジック」もしかり。
どこからか現れた迷い犬風の、
だが人語を理解するがごとく思わせる犬のマジックが、
次々と迷える人を不思議と救っていくという。
ただそれだけの物語。
犬に救われる物語にあまり出会ってない人なら薦めてもよいが、
何作かでも読んでいる人にはお勧めしません。
だいたい犬と暮らすことを軽く書きすぎです。
この著者の作品は「おれはダメなんかじゃない」しか読んでいないが、
作品の出来としてはより軽くなってしまったと感じている。
こういう作風が受ける時代なのだろうね。
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