踊る夜行怪人 ←夜光怪人 です。
2009-08-10


はやみねかおる   講談社   571円

 「名探偵夢水清志朗」シリーズの5作目だ。
 元は小学校の先生をしていたというだけあって、
この人の作品世界には意味の無い陰惨な事件は少ない。
登場人物もたいてい前向きに生きている人が多く、
障害を全力で突き破ろうと死している姿に描かれている。
読んでいて安心感がある。
子供のみならず大人が読めばよいのかと思う。
彼の描く世界は安心感がある分、混沌感は少ない。
そのあたりはノワールなどがお好きな人には物足りないだろうけど。

忘れている童心を取り戻すならこの作品軍はいいですよ。
荒唐無稽な舞台装置なども、
良く考えたら子供の頃には夢見たものでしょう。
テレビドラマになったこともあるようだし、コミック化も進んでいる。
息の長い人気シリーズであるようだ。

 夢水の担当編集者伊藤から、
幽霊坂の側にある桜林公園に
夜光怪人が出没するという話を聞いた三つ子たち。
おっかなびっくり調査に乗り出す。噂は事実だった。
光り不気味に踊る怪人、それも首が取れる。
一方で三つ子たちの後輩・千秋の父・虹斎寺住職が謎の暗号を発見する。
どうやら古い言い伝えの黄金の仏像に関係があるらしい。
二つの事件の関係が不明なまま物語が進んでいき、
夢水清志朗の登場となる。
ここから先の展開は、一作目からの登場人物たちの総登場のどたばたへと発展する。
夜行怪人からの黄金の仏像を狙う犯行予告、
警察の厳重の警備の中、突如として出没するいっぱいの夜行怪人。
それらを結ぶ中心に夢水がいた。亜衣による謎解きはあまりにも意外。
この作品でレーチと亜衣の仲がちょっぴり進展し淡い恋に変化している。
[読書]

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