君は月夜に光り輝く +Fragments
2019-03-12


佐野徹夜  メディアワークス文庫   610円

まるで「世界の中心で愛を叫ぶ」のように、
病で死にゆく恋人たちの話。
似たようなといったって違いはある。
「せか中」が大人になったものの視点が書かれたのに対し、
「君月」はリアルタイムで終わる。なくしたままである。
もう一つの違いはサイドストーリーが存在するらしいことだった。
作者が乾ききっていないモカ、ウェットになりがちな点も違う。
ちょっとした笑いを盛り込んでいるところも違う。
日本人が好きな純愛小説の要素を網羅しているから、
売れるだろうなとは思っていたが、50万部だそうだ。
映画化だそうだ。
「せか中」にせよ「君膵」にしろ、みんな本当に好きだねぇ。

この作品は本編の続編にあたるところや。隠された物語を収めている。
ヒロイン視点で書かれる商品が2点。
主人公視点の小品が2点。
二人を会わせた級友視点がの商品と中編が1点づつ
これらの作品によって作品世界に広がりができている。

秀逸だと思うのが二人の友人香山彰の視点作品。
このひねくれ男なくば「君月」の世界は成り立たない。
純朴な二人より、この男のほうが興味深い造形となっている。

ライトノベルのようなものだけれど、少し大人向け?
[読書]

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